「子ども達の将来のために消費税1%を!!」
今朝の閣議で平成21年度予算案を決定しました。また、これに先立つ20日(土)には、本年度の第2次補正予算案を既に決定しています。
これら一連の予算案によって、「安心こども基金」(1,000億円)の創設、保育所と幼稚園の3人目以降の費用の無償化、妊婦健診の14回全てを公費助成、
出産育児一時金を全国平均の出産費用をカバーできるよう42万円まで引き上げなど、少子化対策について相当の前進を図ることができました。
しかし、本日のオブログはその話ではなく、その先を見据えた最新の取組みについてお話をさせていただきたいと思います。
我が国の少子化対策に当てられている財源は、ヨーロッパ諸国に比べて大変貧弱であるというお話は以前から事あるごとにお話させていただいているかと思います。
例えば、子育て支援に当てられている財源の水準を対GDP比でみると、我が国は諸外国の3分の1から4分の1にすぎません。 また、社会保障給付費全体に占める家族政策の割合は、ヨーロッパ諸国では10%程度に対して我が国ではたったの4%という状況です。
この間、フランスやスウェーデンのように子ども達のために日本の倍以上10%前後の予算を確保してきた国々では出生率が上向きになってきたという事実もあります。
仮にヨーロッパ諸国並みに財源が確保できたら、日本の子育ての現状はどう変わるでしょう。幼児教育や保育所は無料、医療費の負担の大幅軽減などやりたいことはいくらでもあります。
これらが実現すれば、これまでの妊婦健診の全額公費助成や今回の予算ではまだ道半ばですが速やかに実現させたいと考えている出産無料化と合わせて、 妊娠から出産、義務教育開始前までの子どものための公的サービスはほぼ全て無料になります。
しかしまだできていないこともたくさんあります。児童手当等経済的支援もいままで以上に拡充したい、ひとり親家庭の支援も拡充したい・・・。
私は、少子化対策担当大臣に就任以来ずっと、このような想いを募らせてきました。 我が国の少子化の流れを反転させるためには、「政府として、今後は子ども達のための政策に本気で取り組む」という姿勢が伝わるよう、大胆に、思い切った対策を打ち出すことが不可欠だと思っています。 そして、そのためには財源確保の議論も避けて通るわけにはいきません。
私は、「思い切った少子化対策」の内容を具体的にお示しして、それにより本当に子どもを生み・育てやすい社会が実現できるということをご納得いただければ、 そのための負担についても、「未来への投資」として、国民の皆様にきっとご理解いただけるものと確信しています。
このような想いから、私は、これまで、消費税率を上げる時には「100円の買物をしたらあと1円、子ども達の将来=国の将来のためにいただきたい」、 「消費税1%分を少子化対策に使わせていただきたい」と訴えてきました。
そして、本日、「持続可能な社会保障とその安定財源確保に向けた『中期プログラム』」を閣議決定したことを受けて、 早速、私の考える「思い切った少子化対策」の具体化に向けて検討に着手したいと考えています。
まず、私がこれまで少子化対策担当大臣として募らせてきた想い、利用者や当事者の立場に立って思い描く「思い切った少子化対策」に盛り込むべき視点を、
「小渕ビジョン〜5つの視点〜」としてお示しさせていただきました。
そして、この視点を踏まえて「思い切った少子化対策」を議論していく体制として、私の下に、 若い世代のメンバーを中心とした<ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム>を立ち上げました。
【メンバー】
・安藤 哲也(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)
・勝間 和代(経済評論家)
・松田 茂樹(第一生命経済研究所主任研究員)
・宮島 香澄(日本テレビ報道局解説委員)
・佐藤 博樹(東京大学社会科学研究所教授)
子育て世代の当事者や利用者の目線で、既存の政策や財源の枠にとらわれず、もう一度、ゼロから少子化対策を一緒に考えていただく、小渕の理想を形にするための少数精鋭のチームです。
年内にメンバーとの顔合わせを行った後、年明けから月2回程度のペースで、スピードを高めて精力的に議論していきたいと思っています。
各回のテーマにふさわしい専門家、現場の方々、関係団体の方々等にお越しいただいてお話を伺い、腕まくりをして意見をぶつけ合いながら議論を深めていきたい、 フランクな雰囲気の中にも常に真剣勝負の緊張感が漂うような運営をしたいと考えています。 また、国民の皆様からご意見をいただいたり、対話したりする機会も設けられればと考えています。
少子化問題はこの国に暮らす全ての方々にとっての共通の課題です。
経済大国と言われ、教育や医療等全ての水準の高いこの国において、なぜ、将来を担う子どもたちが誕生しないのでしょうか。
なぜ、こんなに汲々としなければ子どもを育てられないのでしょうか。私たちはいつまで「不安」を抱えながら子どもを産み・育てるのでしょうか・・・。
少子化についてはこれまで様々なところで様々な会議が出来、たくさんの議論がなされてきました。しかし、もう一度「ゼロ」から少子化対策を考えてみたいのです。 誰もが小さな命の誕生を喜び、健やかな成長を願える、本当に「安心して子どもを産み育てられる」そんな日本の社会環境を目指して。
今後のプロジェクトチームの活動を見ていてください。そして、少子化の流れを反転させるための「思い切った少子化対策」について、一緒にお考えいただければ幸いです。