小渕優子
小渕優子
トップ
アクセスマップ
ご意見
サイトマップ
自民党
小渕優子 小渕優子
年頭のごあいさつ 活動報告 議事録 プロフィール・経歴 選挙区 ご意見 更新情報 オブログ
小渕優子
更新履歴
2012/05/29
社会保障と税の一体改革に関する特別委員会
2011/10/26
179回 国土交通委員会 2号
2011/03/09
177回 国土交通委員会 2号
2010/05/12
174回 内閣委員会 12号
2010/04/16
174回 内閣委員会 7号
2010/03/10
174回 内閣委員会 2号
2010/03/05
174回 国土交通委員会 5号
2008/05/30
文部科学委員会議録
2006/06/01
教育基本法に関する特別委員会議録
2006/04/28
文部科学委員会議録
2005/02
議員立法「発達障害者支援法」成立
2004/02/25
文部科学委員会議録
2003/04/16
文部科学委員会議録
2002/11/08
環境委員会議録 第2号
2002/06/13
青少年問題に関する特別委員会議録 第5号
2002/04/02
環境委員会議録 第6号
2001/11/21
沖縄及び北方問題に関する特別委員会議事録 第2号
2001/06/12
文部科学委員会議事録 第18号
2001/03/30
環境委員会議事録 第7号
2000/11/10
文教委員会12号
2006年 議事録
トップ > 議事録 > 議事録 20060601
第164回国会 衆議院
教育基本法に関する特別委員会 第7号
平成18年6月1日 午前9時開議
森山委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕優子君。
小渕委員
おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。
私に与えられた時間、二十分ということであります。大変限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。 きょうからクールビズということで、大変さわやかな総理に出席をいただきました。忌憚のない御所見を伺ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
前回、総理にこの特別委員会の初日に出席をしていただきました。 その際に町村筆頭理事からもお触れをいただきましたけれども、今回、この取りまとめに至るきっかけといたしまして、今から六年前、 当時の小渕内閣が教育改革を公約と掲げ、教育基本法の見直しを柱とした教育改革国民会議を立ち上げたという経緯がございます。 小渕内閣、そして森内閣、小泉内閣と、三代の内閣によって議論を重ね、その間、きょうも委員として出席をされている多くの高い見識を持たれる諸先輩、先生方がかかわり、意見の取りまとめをいたしました。
今国会においてこの教育基本法が閣議決定をされ、国会に提出され、こうして審議が進んでいます。 私は、改めて、この場に立たせていただけることに、また、この審議に加えていただけることに、大変ありがたい気持ちとともに、非常に感慨深い思いを持っております。
教育改革国民会議、第一回目の会合が開かれたのは二〇〇〇年の三月二十七日でありました。 くしくも、その五日後に、当時の自由党が離脱をするという、大変慌ただしい時期でもございました。
改めまして、教育改革国民会議、この中の基本法についての提案を読み返してみますと、当時の並々ならぬ教育改革への情熱、 その思いが伝わってくるとともに、その情熱が今回の提出法案に多く反映されていると思っています。
小泉総理におかれましても、就任以来、教育改革の必要性を演説の中で述べていらっしゃいます。 就任直後の平成十三年五月の所信表明演説におきましては、米百俵の精神に言及をされました。 それ以後、平成十五年、十六年、十七年、十八年と、毎年の施政方針演説の中でも教育基本法について触れていらっしゃいます。 教育の現場、行政に従事する方々ばかりでなく、多くの方々が教育改革について高い関心を持ち、この審議の中身、そして行方にも注目が集まっています。
この教育改革国民会議の報告を改めて見直してみますと、初めの部分にこのようなことが書かれていました。 ちょっと読ませていただきたいと思います。「今求められているのは、何よりも実行である。 それぞれの立場で、できることは直ちに実行し、やる気のある者はどんどん活躍できるようにしていくことが重要である。 私たちは、失敗を恐れず、必要な改革を勇気をもって実行しなくてはならない。 また、実行の結果を見守り、評価し、さらなる改革につなげなければならない。」「道は厳しい。しかし、厳しくなかった道はどこにもなかった。 私たちは、国民の皆さんとともに教育の未来を希望し続ける。」このように書いてあります。 私は、この言葉を読むときに、改めまして、多くの方々の努力が、汗が、それによってきょうの日を迎えることができているんだということを痛感しております。
審議もきょうで六日目となりました。与党、野党にかかわらず、真剣なる議論を交わしているところであります。 改めまして総理に、教育改革、そして、現在審議されている教育基本法にかける熱意と教育に関する御所見をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣
教育の重要性は、私は、与野党を超えて多くの議員が認識を共有していると思います。 だからこそ民主党も対案を出されたんだと思いますし、私は、本来、教育の基本的なあり方、いわば教育基本法について、国会でそれほど与野党が対立する法案かなと疑問を持っている一人であります。 今回の審議におきましても、それぞれ建設的な議論も行われていますし、お互いが十分審議をし、協議をし、歩み寄っていただければ、成立は、十分、今国会で可能ではないかなと期待しております。
教育の問題については、さまざまな角度からこの委員会でも論じられておりますが、人間がこの世の中で生きていくという上において、 そして、みずからの能力を向上させる、人格を完成させるという点において、教育の重要性は十分認識しているわけでありますので、審議を通じて何とか共通点を見出せないか。 しかも、これは、小渕さんの父上の時代から多くの方が議論し、協議し、長年の懸案でありますので、ようやく国会で審議をするような、日の目を見るに至った。
今後、将来、長くわたって、子供たちがこの日本を担う、世界に羽ばたく上においても、教育の重要性を認識して、家庭も学校も、 社会全体が子供は社会の宝と認識するんだったらば、教育によってそれぞれのよさを引き出していこうという、 教育が基本であるということをよく認識の上に、いい教育をすべての人に与える環境をつくるべきだと思っております。
小渕委員
ありがとうございます。
総理のリーダーシップを心から期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、家庭教育について質問をいたします。
総理は、この前の党首討論で、民主党の小沢党首の、教育の責任はどこに、だれにあるのかといった問いかけに、家庭の責任が一番大きいということをお答えになりました。 今回の教育基本法でも、第十条に家庭教育というものが新設され、父母その他の保護者が子の教育について第一義的責任を有するということになっています。 私自身も、家庭教育につきましては、この基本法の中でも最も重要な部分の一つではないかと認識しています。
しかし、現在の家庭教育、親子を取り巻く環境を考えますと、核家族化あるいは住宅事情、また女性の社会進出、昨今の情報化社会などによって、むしろますます希薄化する現状にあるのではないかと心配をしております。 この基本法により、親を含めた保護者が第一義的に子供を教育する責任があるとするのなら、ほかの社会政策にも関連する要素がたくさんあると思われます。 住宅政策、育児・保育政策、男女共同参画社会の推進など、そういった関連施策とこの基本法との関係はどのようにお考えになっていますか。
これまで進んできた状況として、もちろん、戦後、いい部分としては経済が大きく発展してきた。 しかし、マイナスの部分としては、情報化社会などが進み、家庭的な人間関係が薄くなる、そのような状況も進んできたのであると思います。
そんな中で、小泉総理が、家庭、親の役目が大きいとあえて言われたその意味はどこにあるのか、その点をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣
教育、子の教育、第一義的な責任があるのは親であり、家庭である。子供にとって最良の教師は親である。 これはだれもが認めるところだと思います。しかし、最近、その親も、子供の教師になり得ない親御さんがふえてきている。
そういう状況になって、核家族化、親にかわるべき親戚も周りに少ない、身内も少ない、あるいは、声をかけたり、ちょっと子供を留守中に頼む近所のつき合いも少なくなった。
そして、まだ子育ての経験のない夫婦だけで、子供が生まれて、そういうだれの助けもない中で若い夫婦が子育てを一人でするというのは大変御苦労も多いと思います。 昔の大家族制だったら、子育ての経験のある年配の方も周りにいたから、子供が泣いたらどうなるのか、ちょっと熱が出たら、おなかを壊したらどうなるのか、 どういう食事がいいんだというのを教えてくれる人が周りにいたわけですね。だんだんそういう環境でもなくなってきた。
そういう面から、私は、今の核家族で、若い夫婦、あるいはまた片親のもとで育っているお子さんのことを考えると、これは親や家庭だけに任せておくというのも問題がある。
そこで、社会全体で子供たちをしっかりといい環境で育てる環境をつくっていこうということで、初めてお子さんを授かった若い親御さんには、 どこで相談したらいいんだろうか、何か問題があったら病院にすぐ電話ください、保育園でもいいです、幼稚園でもいいです、 あるいはほかの助けてくれる近所の方でも結構であります、そういう環境を整備していく必要があるんじゃないか。
教育というのは法律に書いてあることだけじゃありません。むしろ法律に書いていない部分での教育が多い。 法律がすべてじゃないんです。法律以前の問題で、子供がしっかりしている、日常生活の中で子供が健やかに育っていけるような環境をつくっていくのが政治だと思います。 法だけがすべてじゃないんです。それをよく大人がわきまえて、子供は社会の宝である、それにふさわしい環境を整備していくのが政治だと思っております。
小渕委員
ありがとうございました。
おっしゃるとおり、確かに法律だけではない、そのほかの環境整備が必要だということは、まさにそのとおりであると思います。 特に、今、日本は、人口減少社会、少子化の社会を迎えています。 そんな中において、家庭のあり方をいま一度考えていくということは本当に大切なことであると思いますし、それに伴う環境整備、しっかりしていかなければならないと思っております。
話がかわりますが、平成十一年に、広島県立世羅高校の校長先生が、県の教職員組合から卒業式で国旗・国歌の実施に反対され、苦しみ、自殺をするという痛ましい事件がありました。 この事件がきっかけとなって国旗・国歌法が成立をいたしました。この法案は、混乱する現場に対し、一定のガイドライン、指針を与えるべく提起されたと理解をしています。 しかしながら、その後の現状を見ますと、残念ながら、幾つかの現場においてさらに新たな問題も発生しているということも事実であるかと思います。
教育基本法改正において、教育の目的、理念として、「我が国と郷土を愛する」と記されています。 国と郷土を愛するということを規律化し、評価する方向に向かうとの懸念が示される向きもありますけれども、先般、大臣も御答弁されましたが、 これは客観的に評価されるものではなく、心の内側から沸き上がる心情を養うものである、私もそのように考えています。
近く、ワールドカップがドイツで開催されます。きのうも朝早くからごらんになった方も多いのではないかと思います。 あのワールドカップを見ていますと、世界の多くの国々の人たちが、それぞれの国旗を持ってチームの勝敗に一喜一憂し、国旗を振り、国歌を歌うというのは、 まさに、これはだれから強制されるということでもなく、自然に沸き上がってくる感情であると思います。
サッカーの応援の際は、日本においても、だれに言われるまでもなく、当然のように誇らしく国旗を振り、また国歌を歌います。 そうした沸き上がってくるという感情が何よりも大切かと思いますけれども、総理の描かれる国旗・国歌に対する思い、 また、いろいろと懸念されるわけでもありますけれども、国と郷土を愛するというのはいかなるものでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣
国に愛着を感ずる、郷土を愛する。国を愛するというのは、人間が成長していくにつれて自然に身についていく感情だと私は思っております。
その根底には、国に住む自分の親、兄弟、家族がいる、その生まれ育った環境を通じて、人を大切にする、ひいては郷土、地域を愛する、そして、同じ地域、国に住む人が活躍するのを見れば喜ぶ。 同時に、各国それぞれそのような愛国心というのを持っているからこそ、これから始まるサッカーのワールドカップ競技におきましても、それぞれが自国の選手を応援し、国旗を振り、国歌を歌う。 まさにこれは、多くの人々が、みずからの国を誇りに思い、みずから、出ている選手を激励しよう、応援しよう、そしてそれを自分の喜びとする。自然に身につけた一つの愛国心の発露だと思います。
こういう点につきまして、自分を愛する、自分の国を愛する、同時にこれは、他人を愛する、他国を尊重する、今まで自分が生まれ育ってきた歴史、伝統を大切にするということを、 日ごろからの行動において、あるいは教育において身につけられるような人間を育てていこう、あるいは、そういう面において情操豊かな人間を育てよう、そういう気持ちを持って、 教師が子供に、また親が子供に接し、教育活動をするということは、私は、自然な、また大事なことだと思っております。
小渕委員
ありがとうございました。
もう時間がなくなってまいりました。
教育改革国民会議を立ち上げた際に、その会議の冒頭で委員の皆様にお配りしたという一冊の本があります。「自由と規律」という、池田潔先生がお書きになった御著書であります。 これは、イギリスのパブリックスクール、共同生活の中で、教養を高め、人格の形成を高めて、ノーブレスオブリージュにもつながる未来の紳士を育てようという学校の話であります。
この池田潔先生は慶応義塾大学の教授を務めていらっしゃいました。また、この本の序文は小泉信三先生が記されています。 昭和二十四年という昔に出版されたものであるんですけれども、大変みずみずしく、またおもしろく、得るところの多い書物であります。
富国有徳という言葉がありますが、これもまた、人と同じように、国も紳士であれという教訓の言葉だと思います。
慶応義塾大学、そしてイギリスで学んだ総理に、もう既にお読みであるかもしれませんけれども、御多忙のところ大変恐縮でありますが、ぜひ御一読いただければと思っております。
委員長、総理にお渡ししてもよろしいでしょうか。
森山委員長
どうぞ。
小渕委員
ありがとうございます。
時間もなくなりましたが、この本にさまざまな思いを託しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
このページの先頭へ