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第154回国会 衆議院
青少年問題に関する特別委員会議録 第5号
平成14年6月13日(木曜日)午前9時30分開議
青山委員長
これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕優子さん。
小渕委員
おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。
本日は、短い時間ではありますが、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
また、参考人の皆様方におかれましては、早朝より御説明をいただきました。それぞれの経験の中で、大変貴重な御意見をいただいたと思っております。私自身、初めてお伺いする話ばかりでありまして、自分自身の勉強不足を感じながら、また、薬物に関する問題の深刻さを改めて認識した次第でございます。
十五分という短い時間でありますので、早速、質問に移らせていただきたいと思います。
参考人の皆様方よりお話があったとおり、薬物使用の低年齢化ということが大変大きな問題であると認識しております。薬物といいましても、たくさんの種類があるのかもしれませんが、先ほど斎藤参考人からお話がありましたように、決して遠いものではなくて身近なものであるような気が自分自身もしております。
それは何でかと申しますと、例えば、私の学生のころを思い出してみますと、十年近く前のことでありますけれども、決して薬物というのは遠いものではなくて、手に入れるのもすごく簡単で、また、だれだれが薬を持っているとか、だれだれがそういう経験があるとか、そうしたことが、うわさの段階でありますけれども、すぐに耳に入ってきて、私は問題のある学校に行っていたわけでも問題のある友達を持っていたわけでもない、普通の学生だと思うんですが、普通の学生であっても手に入れることが大変簡単であり、薬というものが決して遠い存在ではなかったように思います。
その前のもっと昔のこと、例えば小学校、中学校のころを考えますと、確かに教育の段階で、そういうものは絶対にいけないんだ、恐ろしいものなんだということは、先生であったり保健の先生であったり、テレビであったり、教えてもらって、怖いものだ、恐ろしいものだ、いけないものだということはありながらも、年齢を重ねていく、例えば高校生になり大学生になると、身近な分だけ、そういうものに対して罪悪感もなくなり、また、ファッション感覚であったり、先ほど、若者文化であるという話もありましたが、遊び感覚のような形で薬物に手を出してしまう。そうした大変身近なものであるがゆえに、大変恐ろしく、深刻であり、さらにまた、若年層が手を出し始める。そして、どのくらいの人が手を出しているかということに対しては、本当に幅広く拡大していくのではないかと大変心配しております。
そうした中で、私自身、大変心配していることが一つあります。それは情報化ということです。
私の学生のときというのは、携帯電話がまだここまで普及しているころではありませんでした。ちょうど大学三年、四年ぐらいになって、友達の中でも携帯を持っている人が少しずつふえてきた、そうした時代でありましたが、インターネット、携帯電話、そうした情報通信のものを通じて薬物もますます手に入れることが簡単になってきたのではないかと思っています。
先ほど上村参考人のお話の中で、そうした啓発活動に大変力を入れていらっしゃるというお話をお伺いいたしました。私の学生時代というのはちょうど十年ぐらい前になりますが、前とはかなり違って、最近の若者たちというのは、生活環境で、そうした情報化も含めてかなり大きな変化がされているのではないかと思います。ですから、そうした啓発活動についても、最近の情勢をきちんと踏まえて、そうした情報化にどう対応していったらいいのか、そういうことも考えていかなくてはならないのではないかと思っています。そうした情報化の中で、もちろん、いいところを取り入れて、そうした情報というものを通じて逆に正しい知識を身につけるという意味で、いい意味で利用していきたいわけでありますけれども、決して、影の部分を見落としてはいけないのではないかと思います。
上村参考人、斎藤参考人に御質問したいのですけれども、上村参考人のお立場で、そうした情報化の中で今後どのような啓発活動をしていったらいいのか、もしそのような取り組みがありましたら教えていただきたいのと、私は、この十年ぐらいで世の中の変化が大きくあるのではないかと思っています。といいますのも、先ほど、家族という話がありましたが、家族、家庭、地域、学校、こうしたコミュニケーションの場というのが、コミュニケーションをとるということが子供たちはすごく難しくなっているような気がいたします。子供たちが孤立というか、個として存在しなければならない、それにさらに拍車をかけるのが情報化ということだと思いますが、この十年ぐらいの期間を通じて何か変化というものが見られるようでしたら、教えていただきたいと思います。
斎藤参考人にも、先ほど、こういうものが若者文化であり、そういうものを否定するのはいかがなものか、でも取り締まらないわけにもいかないしというお話もありましたが、この十年間、大きな変化があるのではないかと思います。そうしたものを踏まえまして、今後の情報化ということも含めて取り組みで御参考になる意見をいただけたらと思っております。
上村一参考人(財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター理事長)
今お話にございました携帯電話が非常に乱用されているということは、警察当局からも私ども聞いております。
先ほど申し上げましたように、大事なことは、若い人たち、殊に高等学校の子供とか中学校の子供がそういうことには触れないんだという気持ちを持ってもらうことが何よりも大切だと思いますので、先ほど来申し上げておりますようなボランティア活動の中で身につけていただくことが一つと、それから、文部科学省が乗り出される前のことでございますけれども、私どもが中学生、高校生の保護者向けの啓発の資料をつくりまして、各学校を通じまして配ったりいたしております。やはり大事なことは、若い人たちがこういう問題について深い関心を持ってもらうことでございます。それには、若い人たちがあこがれているような人たちにこの運動の手伝いをしていただくということで、いろいろ工夫しておる次第でございます。
斎藤学参考人(家族機能研究所代表)
いろいろなドラッグに興味を持つ子供がいて、そのドラッグを使用したことが仲間内で一種のステータスになったりするというような状況もあるのです。
かつて、コデインという、一種の麻薬ですが、これは合法的に使える止瀉剤、下痢どめとか、せきどめとかで有効なものですから、それを含む某製薬会社の、幾つかありますが、商品が非常に売れた。甘いシロップ液で、飲むわけですが、せきどめシロップです。この乱用のときに、例えば、固有名詞を出して申しわけないが、慶応の日吉の薬局が、これが非常にたくさんはけるのでびっくりしたと。それで、NHKの報道との兼ね合いもあってちょっと調べてもらったんですけれども、その放送記者の調べによれば、今、名前を出しておいてなんですが、某高校の半分が何らかの形でせきどめシロップを、乱用とまではいかないかもしれぬが、千四、五百だったかを使っていたということがあります。
このように、一過性に、集団的に使うという特徴がありまして、私が申し上げたいのは、これを水際でとめれば何とかなるというふうに安易に考えるな、こういうことなんでして、取り締まるなということじゃない。だとすれば、そのようなものにはまって、中には、多くは遊び型といいますが、一過性に過ぎますけれども、これが精神依存ないし身体依存に至るという例もありますので、こういうものを前提として対策をお考えになった方がいい。
となると、一部の取り締まり機関や団体に頼るのは無理だ。今、その対策費をどういうふうに査定するか、いろいろ問題あるでしょうが、ほとんどは、明示的な、目に見える、お国の機関に使われているはずです。多くは、これは司法に流れています。それはそれでいいんですが、しかし、一方で、ダルクのような民間の任意の組織にもう少し注目していただきたい。
それから、できれば、そういう公的な機関を使うにしても、もう少し薬物治療のセンター的な機能を持ったものが一つ必要なんじゃないかというふうに考えています。そこで人材を養成しながら、各地のボランティア組織がまたボランティア組織の中で自分たちの養成をしているので、行政というのは民間の団体が効果的に動いているときに補助金を出して助成するということがいいんでして、官僚その他が一生懸命頭を使って、これがよかろうと思ってつくったようなものは、大方うまくいきません。ひとつそのことをお考えいただきたい。ダルクは十七年たっていますから。何とか生き延びたんです、自分たちだけの力で。ひとつそのようなことをお願いしたいと思います。
小渕委員
ありがとうございました。 残り五分ということなので、すぐ、次の質問に移らせていただきたいと思います。
名執参考人、近藤参考人に質問したいと思います。
先ほど名執参考人からは、少年院での詳しいお話をお伺いいたしました。子供たち、少年に接する上でのいろいろな問題点とか、また、心の問題であるとかいうことをお伺いいたしました。また、近藤参考人には、ダルクでのそうした青年たちに向けての御自身の取り組みをお伺いいたしました。
そこで、お伺いしたいのですけれども、先ほど斎藤参考人より、家族という話がありました。私もびっくりいたしました。例えば、女性がすごく多いとか、シングルマザーで薬物に手を出す人が多いというお話を聞きまして、大変びっくりいたしました。薬物を使う連鎖という意味でも大変心配でありますけれども、例えば、少年自身がもう薬を使うのをやめようと決めたところで、家族の中でそれに対する理解や知識が不足していたり、また、一番身近なコミュニケーションを図らなければいけない親がどのくらい理解を示せるのか、少年たちが新たなる出発をする上で大変重要なことなのではないかと思います。
親に対してどのような指導をされるか、また、例えばダルクの中で一日三回のミーティングがあると言いましたが、そういう中で、家族というものはどういうふうにかかわってくるか、親とか家族とかいうことに関しましてどのような取り組みをされているのか、お二人にお伺いできたらと思います。
名執雅子参考人(多摩少年院教育調査官)
ただいまの件でございますけれども、家族に対する働きかけというのは大変難しいものがございまして、もともと、薬物などに手を出すとか、その以前に不良行為に染まっていく過程の中で、どうしても家族の問題が、もう一〇〇%と言っていいぐらい、どの少年にもございます。
少年は、少年院の中に入って、いろいろなことを考えたり、変わっていこうという気持ちを持って、少しずつ変わっていこうとしているんですけれども、戻っていく家族の方がそれと同じぐらい変わっていけるかというと、なかなかそうではなくて、もう一度家に戻ったときに、ああ、また同じ環境に戻っちゃったということで、がくっとして、再犯に至るなんということも時々ございます。
少年院の方では、家族との接触というのは、面会のときに、ほんの短い期間ですけれども、そこへ教官が一緒に立ち会いまして、ただ単に、少年と親が会って、大丈夫、元気というような、そういう話し合いの場ではなくて、より深い話ができる、少年の問題を一緒に考えていく場にできるように、教官が介入しながら指導しております。
また、最近は、最近に始まったことではないんですけれども、親だけを呼びまして、そこで少年との面会の前にじっくりいろいろな問題について話し合って、それから少年を入れて話し合うとか、あるいは、宿泊面会と申しまして、本当に時間がかかるような場合については、出院の前に、それでも短い期間だとは思いますけれども、一日かけてゆっくり話し合うとか、そういう機会を持って、何とか少年と家族、一番大事な場はいずれ戻っていく家庭ですので、そこで少年が受け入れられる体制をつくっていこうというような、そういう努力をしております。
近藤恒夫参考人(日本ダルク本部代表・NPO法人APARI副理事長)
私たちのところでは、当然、半分以上は家族が最初に登場してきます。本人が直接ダルクに来るわけじゃないですね。半数以上は、家族が子供たちを引っ張ってくるわけです。
これはとてもアジア的なんですけれども、私たち家族が困るから子供をダルクに入れてくださいという考え方ですね。これはおかしいでしょう。ダルクは、本人がよくなりたいから、アイ・ニード・ヘルプ、私が薬がとまらないから助けてくださいという。
家族が困るから息子を入れてください、つまり、家族も相当困惑しています。その期間が余りにも長過ぎます。薬物開始年齢が十四・五歳ぐらいから始まります。最初に薬物とかかわる平均ですね。それから十八歳くらいで、どうもやめられなくなる。もうほとんど学校も行けなくなる。もう仕事も行かない。そして、毎日、薬を使うようになる。たった三年間でそういう状態。これを依存形成と言っています。それから二十六歳になって、初めて、どうもおれの薬は自分の力でやめられそうもないなというふうに気づく。つまり、治したくない、治りたくない病気ですから。そして、次に家族が登場します、その時期に。もうほとほと、どうすることもできなくなって、家族が登場します。最初にダルクに相談に来る。それは、使ってもう十年たっていますね。十年、さすが家族は辛抱強いですね。
これは、だれが来るかといったら、お母さんです。大体、おせっかいお母さんと放蕩息子のカプセルになっていますね。それから、いい子はお父さんの子ですから、お母さんは、いい子も悪い子もお母さんの子です、日本の家族は。そうすると、お父さんは外で待っていても、中に入ってきませんね。お母さんだけは必死です。そういう状況が十数年続くわけです。
そのほかに少年院とか精神病院とか、その間、いろいろ回ってきていると思いますよ。最終的にダルクに来るわけです。それから、お母さんが登場して三年ぐらいたってから、本人がダルクにようやく登場するんですよ。ダルクに登場するのがそれからまた三年です、二十九歳から八歳の間です。その人たちがダルクで薬を本当にやめようと思うのは、ダルクに来てぴたっとやめるわけではないですね。それからまた二年ぐらいかかるわけです。
こう考えると、もし、公のシステムで大きなトリートメントセンターとか、そういうものをつくった場合に、結局それが、同じように、刑務所化していく、規則でコントロールしていくというシステムができ上がるわけですね。そうすると、小さいユニットの施設がたくさんあった方がとてもいいと思うんです。大きくある必要はないと思いますね。十人単位のものがたくさんあった方が回復率はとてもいいと思います。
家族が一番困っている問題は、サラ金問題です。もうどうしようもなく、家族が払っちゃうんですね。払っちゃうから、息子さんは、あるいは娘さんは、また同じような繰り返しをします。そういうことで、経済的な問題で登場してきます。
私は、家族は家族の人たちで話し合うべきだと思っています。家族は、カウンセラーとか、いろいろなところに相談に行っていますけれども、ほとんど信用していませんから、あちこちのいろいろなところを渡り歩いて、最後は、大体、新興宗教ですね。おはらいとか、そういうところにまで行くわけです。そのくらい本当に切実に悩んでいるのは家族、特にお母さんなんです。
では、そういうお母さんをどうするかというと、私たちが何かできることではなくて、あなたと同じような人たち、子供を持ったお母さんが何かそういうグループをやっていますから、どうぞそっちのグループに行って自分の困っている問題を話してくださいと。それは、ダルクの会はめぐみ会という会もありますし、ほかには、ナラノンという家族のグループがあります。そういうところで自分の問題に気がついていく。情報を伝えてあげたり、あるいは、回復した家族と、やはり同じですね、回復した家族と出会うことです。その家族からまたいろいろなサジェスチョンを受けたり、いろいろな子供とのかかわり方を教えてもらうというのが一番理想的ですから、そういう家族会に参加させたり、あるいは各地でやっているフォーラム、斎藤先生の講演とか、そういうところに行って家族が団体で勉強する。家族の勉強がとても大事だと思いますね。
小渕委員
時間が参りましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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