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第151回国会 衆議院
文部科学委員会議事録 第18号
平成13年6月12日(火曜日)午後2時44分開議
高市委員長
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑の申し出がございますので、順次これを許します。小渕優子君。
小渕委員
自由民主党の小渕優子でございます。
参考人の諸先生におかれましては、お忙しい中、貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとうございます。私も、今日質問の機会を与えていただきましたことを大変うれしく思いますし、いろいろ質問をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
質問の前に、冒頭委員長からもありましたけれども、六月の八日、大阪の大阪教育大附属池田小学校で起きた事件に際しまして、亡くなられた児童の皆様に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
この事件に際しましては、日本じゅうに大きな衝撃を与え、子供たちを預かる学校関係者にとっても、預けている保護者にとっても、信じがたい事件が起こったと思います。白昼、いたいけな、かわいい盛りの子供たちをねらった卑劣な犯行であり、やり場のない怒りとともに、強い憤りを抑え切れないのは私ばかりではないと思います。
今回の事件は、新聞報道でも見られますけれども、現在進められている教育改革の動きにも大きくかかわっているのではないかと思います。私は、これからの二十一世紀の教育は、先ほど池本参考人からもお話がありましたけれども、教師や保護者だけでなく、地域を含めた社会全体で推進されるべきだと考えております。
現在、学校を地域の中心と位置づけ、多くの地域社会の人々が学校にかかわり、地域と学校の一体化による、地域に開かれた学校を目指す動きが全国で広がっていますけれども、そんな中でこのような事件が起き、まず教育現場の安全という観点から有効な施策が講じられることを強く願うと同時に、またこの事件に際しまして、子供たちの心のケアにも全力を挙げて取り組まなければいけないと思い、また関係者の皆様、保護者の皆様にも心からお見舞いを申し上げたいと思います。
それでは、質問の方に移らせていただきたいと思います。
まず初めに、飛び入学の導入について御所見をお伺いしたいと思います。
先ほど、田村参考人の方からもお話がありましたけれども、この飛び入学は、やはりイエス、ノー、どちらの意見もあるので慎重にというお話がありました。私も確かにそう思います。個性の尊重、能力の啓発の観点から、諸外国を含め、導入に積極的な声も多いという中で、少子化の進行から、生徒の青田買い、また受験競争をあおることになり、人格形成にとって大切な時期である中学生、高校生の情操教育の妨げになってしまうという懸念もあります。
田村参考人は、長く中学、高校の学校経営に携わり、教育の現場におられると伺っております。田村先生にお伺いしたいのですが、この飛び入学の制度がもし先生の学校で導入された場合、具体的にどんなプラス面が考えられるのか。また、今心配されているようなマイナス面ということは実際起こり得るであろうと思われるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
田村参考人(学校法人渋谷教育学園理事長)
飛び入学にかかわっての御質問でございます。
私どもが長い間担当しておりましたのは、いわゆる中等教育という中学、高校段階の教育でございますが、発達心理学という学問、最近一九七〇年代ぐらいにほぼ完成されたと言われている新しい学問ですが、その学問によりますと、その年代というのは、例えばエリクソンの説によると、自分のアイデンティティー、自分らしさを確認するというその年代だと。完成されるのは、その部分で言えば、二十前後であろうというふうに言われているわけです。その自分らしさを見つけ出すという時期は、人によってすごく違うのですね。どうやら、これが僕だとか、これが私だということを自覚する年代というのは、十六、七、八。その辺のところが一つの切り口かなという実感がございます。
ただ、日本では学校制度というのは年齢主義で来ていますから、何歳にならなければこういう教育は受けられない、そういう仕組みが定着しているわけですね。高等教育は、長い間日本では十八歳にならなければだめよと言ってきたわけです。十八歳になれば、高等教育を受けられる。高等教育というのはどういうことかというと、自分の人生にかかわって、自分の適性とか、個性とか、興味、関心といったものを自分の人生に生かす、それを生かすための知識、技能を身につける、これが高等教育の目標でありますね。
その前に、自分とは何だということを見つけ出すのが中等教育という考え方なんだと思うのですが、これは、人によって随分違うということは、やはりそろそろ私たちも認めなければいけないのではないかというふうに思います。
ただ、こういう改革というのは、一気にやると非常に混乱を来します。現実に、青田刈りというようなことがうわさされているように、生徒が少ないからということで高等教育機関の方が積極的に出てくるということも考えられますので、私の考えでは、そういう制度は用意していいだろう、生徒が選択して、その道に進みたいというのであれば、そこへ進ませることは何ら問題はないというふうに考えています。
現状では、高校二年で大学へ行くということでありますから、そういう制度をやることについては、プラスはあっても、つまり年齢主義ということに対する反省としてプラスはあっても、マイナスは少ない。ただし、マイナスがないわけではありませんから、これは、この制度の実施について文部省と話し合いをしている過程でもよく出てきたことですが、実際にそれが行われた結果を明らかにする。どういう結果になったか、どういうつもりで高等教育機関は高校二年生、卒業生を受け入れるのか、その結果はどんな結果を生じたか、成果がどうだったかというようなことをきちっと検証して、明らかにして、世の中でそのことを議論するという段取りは必要かなというふうに思っております。
よろしいでしょうか。
小渕委員
ありがとうございました。
前向きに、そしてかつ慎重に審議を重ねなければいけないということで、わかりました。ありがとうございました。
続きまして、次に何かと議論の多い奉仕活動、体験活動、社会活動の導入についてお伺いしたいと思います。
もう一度田村参考人にお伺いしたいのですけれども、現在、中学、高校の学校教育に携わっていらっしゃると思いますけれども、その中でこのような活動というのは現在、おやりになろうとか、またはこのような方向の授業をお持ちになっているとかいうことがありましたら、教えていただきたいのですが。
田村参考人
実は現在、学校教育の基本的な仕組みといいましょうか、原理を示していると考えられます学習指導要領というものがありますが、その中には社会奉仕体験活動というのは明示されております。ボランティア活動という表現もされております。ボランティア活動の場合は社会教育法の方が多いんですけれども、そういったことが取り扱われているということは、現実に既に行われていることであります。
今回、非常に大きな問題として議論されたきっかけは、教育改革国民会議で、十八歳以上の青年に義務づけをするという、この話が非常に大きな話題になった。これは、それぐらいやらなければみんな考えてくれないんじゃないかというような意見もあって、かなり無理だなというふうには思いながらも、中間発表では載せようということで載せたという経緯がございます。
結論としては、これはなかなかに難しい問題が、憲法上の問題もありますし、いろいろありますので、義務化は、特に青年、十八歳以上の人に対する義務化というのはこれは問題があるなということで、最終報告からはその部分は消えたわけであります。
ただ、奉仕体験活動、社会体験活動、社会奉仕体験活動といいましょうか、これは文部科学省が従来使っている用語と、それからボランティア活動という用語も使っておりますので、その辺の整合性を考えますと、私どもの受けとめ方としては、社会奉仕体験活動の一部としてボランティア活動があるという感じです。
したがって、ボランティア活動にかかわっていますこと、私どもの学校でやっておりますことは、特別活動の中で「ボランティア活動の勧め」というパンフレットを学校でつくりまして、私校長から生徒に対する手紙という形でそのパンフレットの中に、きょうお持ちすればよかったんですけれども、そういうものを全生徒に渡してありまして、自分でやってみて、結果どうかということを自分で報告して、それを先生たちと、あるいはおうちの人たちと話し合ってみたらどうだというようなことは今まで積み重ねてきております。
授業の中、その他に関していえば、行事とかいわゆる特別活動と言われるところで実際に社会奉仕体験活動ができるようなことを仕組んでやるということは、従来積み重ねてきてはおります。
以上でよろしゅうございましょうか。
小渕委員
それについてお伺いいたします。
実際そういうものを導入した場合に、今までの御経験でも構わないんですけれども、プラス面であるとかマイナス面であるとか、そして、生徒たちがどのようなふうに変わった、また変わらないということでもいいのですが、御意見をお伺いしたいと思います。
田村参考人
このボランティア活動あるいは社会奉仕体験活動というのは、もし、教育改革国民会議がテーマとして挙げている二十一世紀という社会を考えた場合、その社会は自由な社会ということが前提にあるわけです。
自由な社会というのは自己責任、自己決定の社会ですから、その分だけ、先ほど池本参考人もおっしゃっていましたけれども、内心の強さといいますか、私はこれを自己抑制力とか言っていますけれども、あるいは心の習慣という言い方もありますが、これはトックヴィルという人がアメリカ人を批評して言った言葉なんですけれども、ハビッツ・オブ・ハーツといいますけれども、この部分が非常に求められるわけです。つまり、強制とか周りの制約によって行動が決められてしまえば、そこで自由がなくなるわけですから。
しかし、自由をどうしても定着させなければいけないということであれば、内心の訓練といいますか、自己抑制力を育てなければならぬ。その自己抑制力あるいは心の習慣を育てるために絶対に必要なことが、このボランティア活動と言われる活動あるいは社会奉仕体験活動という活動なんですね。自分でやってみて喜んでくれることを体験するということが、実は人間としては生きる力を育てるわけです。
ですから、そういう意味でいえば、二十一世紀、自由な社会で人間が生き生きと生きるためには、ボランティアあるいは社会体験活動が絶対に必要だということで、私どもは、中学一年生から高校三年生までいる学校なんですけれども、中一からそういった教育をしてきております。言ってみれば当たり前というような感じなものですから、なかなかに、結果どうだったかということは申し上げにくいんですけれども、これをやっていかないと自由社会の一員に日本人はなれないのじゃないかという感じがしております。
ただ、一つだけ問題点は、奉仕という考え方は、キリスト教社会では敬神奉仕というつながりで考えられているわけですね、神に対する敬いの気持ちを持って奉仕をするという。日本はいわゆる宗教がないという考えですから、その部分をどうするかということですが、それは私は、おてんとうさま思想だというふうに思っています。おてんとうさまがあって、だれも見ていなくても悪いことはしないという、この強さがあるところに奉仕というものは育つのだろう、ボランティアというものは正しいものになるのだろうというふうに思っております。
学校教育ではそういうことに対する支援を積極的にする、これはもう非常に大事なことではないかというふうに思います。
よろしいでしょうか。
小渕委員
ありがとうございました。
私は、小学校時代に、奉仕という言葉を使っていいのか、ボランティアという言葉を使っていいのかあれですけれども、例えば道路のお掃除に出たりとか、あと、年末に募金箱を持って駅に並んだりとか、あとは、老人ホームにお話しに行ったりとか、そういう機会を随分与えてもらえる学校でありまして、みんなで手を挙げて、何かいろいろやりたい、やりたいと言って、そうすると先生がいろいろな選択肢を出してきてくれまして、自分たちで選んでやりたいことをやらせてもらった覚えがすごくあります。
そういったことを今でもすごく鮮明に覚えていて、あのときにどれだけ社会の役に立ったかというと、それはちょっとわからないのですけれども、小さいながらにすごく温かい思いをして、喜んでいただけたということもすごく覚えておりますので、いい意味で、この奉仕活動、社会体験活動というものを生かしていければいいのではないかと思います。
最後に、実施を前提とした場合に、行政に何か御要望などがありましたら教えていただきたいと思います。
田村参考人
現実に学校でこういった活動をする場合、多くは学校外の活動になります。学校の中にいないでの活動ということになりますと、必ず事故とか思いがけない出来事が起きる可能性が多くあります。この部分についてきちっと、どこかで保険を掛けるとかそういうことをしない限り、こういう運動は学校を中心にして広がっていくということはかなり難しいかなというふうに思います。
現実に神戸のトライやる・ウイークではどうやっているのか、兵庫県にお聞きしたのですけれども、やはりかなりの金額で、これは全県の生徒ですから、県として全県の生徒に保険を掛けているようです。そういうものは本当は自分で掛けるのが本来の筋だとは思うのですけれども、国としてそういうことを応援しないと差し当たりは動き出さないかなという感じがしております。
支援策としてはそれが一つあるかなというふうに思いますが、それ以外にも、いろいろな場所、機会、そういうことをいろいろな形で普及させる、知らせるということは行政の重要な役割だろうというふうに考えております。
以上でよろしゅうございましょうか。
小渕委員
どうもありがとうございました。
時間が短いのですべてのことを質問することはできなかったのですけれども、教育というのは、有為な人材を育成するという国の根幹をなす極めて重要な事業だと思っております。私も、本当にまだまだ勉強段階でありますけれども、一生懸命勉強を重ねてまいりたいと思いますので、先生方の御意見に感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
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